「相続税を節税する」から「資産を倍残す」という考え方へ
- 2016/10/17
- 資産運用・節税

日本の相続税の最高税率は55%。
この値は他国に比べても圧倒的に高いことで知られているかと思います。
さらに基礎控除制度も他国に比べてかなり低めに設定されています。
そのため日本では、「相続税を節税する」という考え方が一般的です。
相続税を節税するために、空き土地にマンションを建てる、不動産を購入する、生命保険に加入する。このように税金を下げるために様々な手段があります。
しかし、この考え方は日本独特ということをご存知ですか
富裕層の歴史が長い欧米などの海外諸国では相続税に対する考え方が日本とは異なります。
例えば、アメリカやスイスといった国では「資産を守る」ことを最も重要視しています。
言い換えると、相続税をそれだけ節税しても、資産が減ってしまっては意味がない、逆に相続税をどれだけ支払ったとしても、資産が減らなければよいという考え方です。
後世にどれだけ多くの資産を残せるか、この一点に目的を置いているというわけです。
Contents
プレミアムファイナンスを利用する
「資産保全」をするという考え方において、キーワードとなるのが、「プレミアムファイナンス」です。
生命保険を使った仕組みで、その一つの事例をご紹介します。
まず、流れを簡単に以下に示します。
① 指定銀行の口座内の現金を担保に融資を依頼します。このとき指定銀行から払い込み保険料全額融資を受けることが可能です。
② 指定銀行が当該保険会社に保険料(融資額)を送金します。
③ 保険証書担保価値が付きます。(これにつきましてはメリットを下記にて説明します。)
④ 顧客と保険会社の間で契約が成立し、死亡時に保険料が支払われます。
その結果、顧客が死亡時、
700万(保険) - 240万(融資額)+ 100万(契約時の担保)= 560万
となり、USD 560万が手元に残る計算になります。
また、仮に最高税率の55%の相続税がかかるとします。
560万 × 0.45 = 252万
その場合でも、最終的にUSD 252万が手元に残ることになります。
プレミアムファイナンスを利用しなかった場合、手元に残るのはUSD 100万ということになりますので、利用した方が、倍以上の資産が残る結果になることがわかります。
※これは事例の一つであり、各金額は契約内容によって異なります
プレミアムファイナンスのメリットのひとつとして、担保提供による保険契約であることが挙げられます。
国内生命保険の場合、契約者の可処分所得からの現金払い込みしか認められていませんが、海外保険の場合、必要担保提供による融資での払い込みが可能なのです。
もうひとつの利点として必要担保拘束期間が挙げられます。
解約返戻金の逓増(保険証書担保価値の増加)によって、必要担保が不要になって変換される場合があります。
このとき、注意しなければならないのが、必要担保を変換された場合、支払金利が期日ごとに発生するということです。
資産が増えるように設計する
上記の話だけ見ると、非常においしい話のように聞こえますが、設計の段階が非常に重要になってきます。
最終資産が増えるように設計するためにも、プロのアドバイスを受けることをオススメします。
ここに記載していることは本当に概要の部分になりますので、より詳細につきましては、お気軽に個別でお問合せ下さい。
日本ではまだまだ利用されていない手法ではありますが、相続税対策としての選択肢の一つとしてご検討してみてはいかがでしょうか。