
資産の運用において、ポートフォリオやアセットロケーションの構築に頭を抱える経営者や資本家の方は少なくないでしょう。
特に、新型コロナウィルスの影響を受け経済がまさに今「コロナショック」に見舞われている中、「いかにリスクを分散させながら利益を得るか」という悩みは後が経たないでしょう。
そこで今回は、リスクの分散や海外資産について見ていきましょう。
分散投資とアセットロケーション
投資の基本として分散投資という考え方があります。そもそも分散投資とは、投資対象を1つに限定するのではなく、複数の種類へ資本を散らして投入することを言います。分散投資をすることで、価格の変動によるリスクを軽減し、より安定した資産の運用ができます。
―アセットロケーションとは
こうした分散投資を有利にするために重要となるのが、「アセットロケーション」です。アセットロケーションとは、資産配分のことを指します。
アセットロケーションでは、資産の種類や分類ごとに分けられた「資産クラス」を基に、配分を作っていきます。クラスは円資産、外貨資産、金融資産、実物資産といった風に分けられます。金融資産は投資信託や株、実物資産は不動産やコモディティなどを指します。
その中で、円資産・金融資産、円資産・実物資産、外貨資産・金融資産、外貨資産・実物資産の計4パターンの大きな枠組みを作ります。
更に、核枠組みの中にも小さなグループを作っていきます。例えば、外貨資産・実物資産の中では、先進国の海外不動産と新興国の海外不動産といった分け方ができます。
このようにクラスを構築した後に、各クラスに対して資産の何%を配分するのか検討することで、アセットロケーションは完成します。そのアセットロケーションをもとに、具体的な金融商品を指定し、配分を決めたものがいわゆる「ポートフォリオ」になります。
―専門家との連携
ここまで見てきた通り、リスクを背負わずに安定した投資のためには、アセットロケーションの構築と、それに基づくポートフォリオが重要です。
しかし、アセットロケーションを考えるためには、多種多様な種類の資産への知識や情報を持っている必要があることはもちろん、各クラスにおける実際の金融商品への知見も要求されます。
更に、以前までは株式、債券、不動産など投資対象が限定的でしたが、分散投資が基本となる現代では、各分野の知識や情報を網羅することはほとんど不可能だとしています。
そこで、推奨されているのが「専門家との連携」です。専門家は、各資産の種類に対し、我々より深い知恵を持っています。彼らの意見を聞くことができれば、1からすべてを学ぶ必要はなくなるのです。
つまり、専門家と仲良くなっておくことで、自分自身が知識や情報を蓄えていなくても、その都度聞き出すことでより効率的な投資ができるようになるのです。
もちろんそのためには、「もらう」だけではなく「あげる」ことも必要なため、しっかりとした「ギブ&テイク」の仕組みづくりが目指されるべきと述べられています。
そのためには、自身もある程度学ぶ分野を絞り、他の投資家と持っている知識や情報を差別化していくことが必要となってくるでしょう。このことに関しては、内藤忍氏も言及をしています。
ウクライナの不動産
アセットロケーションについて見てきましたが、国内企業株式などの「円資産・金融資産」以外のクラスにどのような商品があり、一体それはどうやって運用すればいいのか疑問を抱く方もいらっしゃると思います。
そこで、ウクライナの不動産を例に、資産クラスの1つである「外貨資産・実物資産」の運用術について、実際にご紹介をしていきたいと思います。
―ウクライナとは
現在、ウクライナはクリミア半島は、クリミア危機・ウクライナ戦争の影響を受け、ロシアの実効支配を受けています。
クリミア危機・ウクライナ東部紛争は、2014年2月下旬に発生したウクライナ騒乱以後、クリミア半島(クリミア自治共和国)とウクライナ本土の東部2州(ドネツィク州とルハーンシク州)で起こっているウクライナ政府軍と、親ロシア派武装勢力や反ウクライナ政府組織、ロシア連邦政府・軍との紛争(軍事衝突や対立)である。―「Wikipedia」参照
これらの政治的混乱によって、現在ウクライナの通貨である「フリヴニャ」の価値がドルに対して4分の1にまで下落してしまい、未だに経済状況が良いとは言えないウクライナでは依然状況に変化は見られないのです。
つまり、1ドル100円が1ドル400円になったような状態であるために、外から見ればウクライナの不動産がかなり安価になっているのです。
―ウクライナ不動産への投資メリット
上記のことから、ウクライナで不動産を所有することにいくつかのメリットが挙げられています。
1つ目は、為替のリバウンドで得られる利益です。現在、4分の1の価値を持つウクライナ通貨が2分の1にまで戻ればどうなるでしょう。価値は倍になり、2倍のリターンを得られるのです。
2つ目に言及されているのが、ウクライナの経済状況です。今、ウクライナの経済は全くもっていいとは言えません。しかし、これ以上の経済悪化が見込めないことから底落ちしていると捉えれば、今がチャンスでしょう。
更に、EUへの加盟に向けて取り組んでいるため、制度の整備や外国人の流入も徐々に増えてきているとみることもできます。
3つ目は、ウクライナのとある制度です。ウクライナでは、外国人が10万ドル以上ウクライナに投資すれば「永住権」が貰えるのです。
1度とれば、いつでも永住可能であることに加え、もしウクライナがEUに加盟すればEUの永住権を手に入れることにも繋がります。ヨーロッパ諸国のどこへでも移動ができ、住めるようになるのです。そうすれば、永住権の価値は今の10倍以上に跳ね上がるだろうと考えられています。
「ウクライナは少し危険なのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、首都はキエフというクリミアから離れた安全で美しい街です。因みに、物価は東南アジア並みに安いと言われていますが、必ずしもそうとは限らないそうなので気を付けなければいけないでしょう。
分散投資とウクライナ不動産まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の重要なポイントは、
・分散投資は基本中の基本
・クラスを丁寧に細分化する
・専門家とギブ&テイクの関係を構築する
・ウクライナ不動産は狙い時
などがありましたね。
投資家の皆様が、これまでの投資を見直すチャンスになったと同時に、新しく始めようとする方々にとっては重要な知識を得られたのではないかと思います。
是非、今日を機にアセットロケーションの検討と見直しをしてみましょう!