タワーマンション節税に待った 政府が課税強化を検討
- 2016/6/21
- 資産運用・節税

Contents
タワーマンション節税とは
2015年1月相続増税で最高税率が引き上げられたこともあり、タワーマンションを活用した節税策に関心が高まっています。
なぜタワーマンションが節税に効果的なのでしょうか。
通常タワーマンションは高層階になればなるほど価格が上がり、最上階が最も価格が高くなります。
しかし、相続税評価額は一般に床面積で算出されるため、床面積が変わらなければ低層階も最上階も評価額は同じになります。
そのため、タワーマンション節税では最上階(もしくは高層階)が利用されることになります。
仮に最上階の時価が2億円、相続税評価額が6,000万円だとすると、現金で相続した場合2億円に対して相続税がかかりますが、タワーマンションの最上階として相続することで相続税は評価額の6,000万円に対してかかることになり、残りの1.4億円が実質無税で子供に相続させることができるわけです(あくまで簡易的な例であり、状況や物件等によりこのようにならないケースもあります)。
課税強化のきっかけはある親族への追徴課税
国税庁と総務省が、節税対策に使われやすいタワーマンションの高層階に対し課税強化を検討しているというニュースが流れました。
このニュースでは、ある親族が相続したタワーマンションに対して追徴課税されたケースが紹介されています。
このケースでは、入院していた父親の代わりに親族が代理人となってマンションを購入しました。
親族は、マンションの相続時は時価よりも低い評価額で相続税を申告し、相続した4か月後に購入額とほぼ同額で売却しました。
ちなみに売却益については当然所得税がかかりますが、これは購入額や取引コストを除いた額に対してなので、この額が小さければ所得税も少なくて済みます。
しかし、問題だったのは入院していた父親が認知症を患っていたことです。
このため、相続税を減らす目的で判断能力のない父親の名義でマンションを契約したと国税不服審判所に指摘され、結果として追徴課税されたというわけです。
もちろん、タワーマンション節税を活用している人がすべてこのケースに当てはまるわけではありませんが、このことがきっかけで課税強化が進む可能性はあります。
今後、どのように推移していくのか、情報をチェックしておく必要がありそうです。