2037年御堂筋の完全歩道化プロジェクト!!
- 2020/4/30
- 経済・ビジネス

Contents
コロナウイルスVS御堂筋の完全歩道化プロジェクト
大阪のメインストリートである御堂筋の梅田駅~難波駅までのうち淀屋橋~難波駅まで(およそ2.5キロメートル)を2037年までに完全歩道化するとのこと。(2018年8月発表)しかし、今回のコロナ騒動でインバウンド客の激減が懸念されており、歩道化プロジェクトが実現できるのかについて
御堂筋将来ビジョン
御堂筋完成80周年記念事業推進委員会として「御堂筋将来ビジョン」をとりまとめました。
御堂筋完成80周年記念事業推進委員会とは
記念事業を推し進め成功させるために、公民連携により、事業の具体的な内容等を検討する場として設立されたもの。委員長は大阪市長の「吉村 洋文」です。その他16名計17名の委員が名簿に載っている。
その御堂筋将来ビジョンに御堂筋完全歩道化プロジェクトの詳細が記載されてます。つまりこの御堂筋完成80周年記念事業推進委員会が主体となってこのプロジェクトが実行されつつあると推測されます。
これから御堂筋完全歩道化プロジェクトを通じて、御堂筋完成80周年記念事業推進委員会がどのような街にしていきたいのかについて説明します。
1 御堂筋を大阪の顔に!
御堂筋は都市のメインストリートと呼ばれ、メインストリートのイメージがそのままその都市のイメージとなることが多々あります。そこでこの重要な役割を持つ御堂筋をより一層盛り上げるために完全歩道化が進められているということです。
2 風格ある景観づくりを!
御堂筋のシンボル「イチョウ」の並木を保全し、継承するとともにイチョウの存在感を引き立たせる空間や、イチョウの魅力を高める空間づくりから、沿道景観とともに、都市の顔にふさわしい風格ある洗練された景観づくりを目指しています。例としてはスペイン バルセロナのランブラス通りをイメージとしているそうです。
3 新たな魅力が体験できる!
アジアにおける他都市との競争が激化する一方で、その競争に打ち勝つためには、国内外から呼び込んだ人、モノ、資金、情報といった都市資源の交流を促す場、新たな魅力が体験できる場を今後創出していくつもりです。そのために、出会いの空間や、24時間人を惹きつける場の創出が考えられます。例としてはフランスシャンゼリゼ通りのオープンカフェなどをイメージとしているそうです。
4 話題のスマートシティの導入?!
今後の街のあり方について、いろいろな場面で話題になっているスマートシティを今後御堂筋の完全歩道化プロジェクトに際して、進めていくと発表されている。
スマートシティとは
IOT(Internet Of Things)の先端技術をもちいることにより、基礎、生活インフラやサービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人間の日々の生活の質を高める。そして、継続的な(持続的な)経済発展を目的とした都市のことです。
IOTとは
その名の通りモノのインターネット。つまりあらゆるのモノをインターネットに接続することです。例えば、CMでも見た経験があると思いますが、「アレクサ、照明をつけて」「アレクサ、エアコンをつけて」などのようにエアコンや、照明がインターネットを経由して、照明をオン・オフを操作出来たり、今現在オンなのかオフなのか確認できたりする。これが照明やエアコンというモノとインターネットがつながったIOTの状態だと考えて頂くとわかりやすいです。
説明が長くなりましたが、このIOTを街レベルまで広げた都市をスマートシティと呼び、御堂筋では暮らし、ビジネスといった生活インフラを含め、電気、ガス、水道などの都市インフラ全体を新たな情報システムによるネットワーク化を図ることで、効率的で持続可能な都市への転換につながると発表している。
過去の御堂筋で側道の歩行者空間化に向けた社会実験
御堂筋には自動車用側道左右2車線と主要道路4車線の合計6車線がすべて南向きにあります。この側道を利用し社会実験を行いました。それは御堂筋の空間再編を通じて都心の活性化と都心部の価値向上につなげていくためであるとされています。ではその社会実験の概要について説明します。
実施期間
平成30年10月9日(火曜日)~平成30年10月22日(日曜日)
24時間
実施区間
道頓堀橋北詰~難波西口交差点付近までの約400メートル。
社会実験の概要
2017年度に御堂筋が完成してから80周年を迎え、公民連携して人中心のみちへと空間編成を目指した今後の御堂筋のあり方や、民間との連携によるまちづくりのあり方について、様々な取り組みを通じて議論し、平成30年7月に御堂筋将来ビジョンが取りまとめられました。
これまでの大阪市では、「車中心の道路空間から人中心の道路空間へ」という基本方針から難波交差点(御堂筋と千日前通の交差点)と難波西口交差点との間の区間の東側において、側道を歩行者空間にするモデル整備を実施してきました。
そして今回の社会実験において、上記の実施区間において、側道の自動車交通を規制し、安全で快適な歩行者空間を創出してことによる交通の影響などを調べました。
上記の社会実験はたった一つの事例に過ぎず、ほかにも
「御堂筋側道閉鎖社会実験」平成25年11月
「御堂筋賑わい創出社会実験」平成26年10月
などたくさんの事例があり、この御堂筋完全歩道化プロジェクトを進めています。
今回の社会実験に関してのチラシとしてこちらをご覧いただければ、イメージできると思います。
出典:大阪市ホームページ、ページ番号444272、2019年11月20日
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000444/444272/chirashi.pdf
実現可能性は?
このように大阪市が公式に発表している内容に関して、大前提として、インバウンド客の交通手段が徒歩と電車にあります。コロナ騒動以前までは大阪はインバウンド客の国内シェア36%も握っており、ここ5年で3倍以上にも跳ね上がりました。
この影響を受けた大阪はインバウンド客に対してのビジネスとしてこのような対策を講じたように思えます。しかし、その歩道化プロジェクトの国内外の観光客の消費を底上げし新たな顧客とビジネスの場の創出を目指すというビジネスは少し限界があるように思えます。
街全体をかなり変化させるプロジェクトなので御堂筋周辺の地域住民の理解と協力、官民連携が必要不可欠となりますが、今回のコロナ騒動により歩道化することで得られる恩恵を証明することができないことが明確である以上、地域住民及び民間企業の協力が得られない可能性が出てくるため、実現の可能性がかなり低くなると考えられます。
大阪市ホームページに関しても現在新たな発表が出ていないため(2020年4/30現在)これから、どういう方向に流れるか確認しておく必要があるでしょう。とは言いつつも、現在発表されている今後の流れについて詳しく説明していきます。
今後の流れについて
この完全歩道化プロジェクトの将来ビジョンの実現に向けたフィーストステップとして側道歩行者空間に取り組みます。それに対する主な取り組みとして
・エリアの特性を踏まえて、面的な視点での空間づくり
・上記でも示した通り社会実験などによる交通や荷捌きへの影響の検証
・交通や荷捌き、自転車交通や駐輪場のあり方、空間活用法などを地元関係者たちと議論する場を設置
・将来ビジョンを推進するために持続可能な公民連携体制づくり
などが行われていて、そこからの将来ビジョン、御堂筋完成100周年をターゲットイヤーと設定して、これからの取り組みに
・都心部全体の交通ネットワークの再編
・沿道建物の誘導
・新たな情報システムによる都市インフラ全体のネットワーク化
・歩行者と多様なモビリティが安全に共存できる仕組みづくり
などがあげられています。
最後に
これらの情報をもとにこれからどんな街になりどういった社会になっていくのかを皆さんもぜひ考えて、それに向けた行動を起こしていけば、この流動の激しい社会を楽しんで生き残れるのではないかと思います。
もう少し詳しく知りたい方へ、こちらのURLを参考にしていただければ理解が深まると思います。
出典:大阪市ホームページ:https://www.city.osaka.lg.jp/
出典:「御堂筋歩道化プロジェクト動向調査」: https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000442376.html
2020年4月30日に利用