飲まないのはもったいない!イスラエルワインの魅力
- 2018/7/20
- ライフスタイル

イスラエルワインをご存知ですか?
ワインと言うと、フランスやイタリア、スペイン、ドイツなどの国がすぐに頭に浮かびます。また、関税が安くお手頃な値段で入手できるチリワイン、あとは国産あたりでしょうか。
イスラエルという中東のエリアで、ワインのイメージは湧きにくいかもしれませんが、実は近年ワイン通の中では注目を集めています。
本記事では、イスラエルワインの魅力とおすすめ銘柄について紹介します。今まで様々なワインを飲んできた方にとって、新しい世界が広がる瞬間かもしれませんね。
Contents
実はワイン造りの条件が揃っている?!歴史深いイスラエル
イスラエル=ワインでイメージをすると、現代では馴染みが薄いかもしれません。
しかし、5000年以上歴史を持つイスラエルは、旧約聖書の中でもワインが登場するくらい、古来より飲まれてきた背景があります。
つまり、約5000年も前からワイン造りをしていた土地なのです(紀元前2000年頃には広く飲まれていたそうです。)
古代では、ローマ帝国の各地域に輸出されており、人気が高く、地中海を通じてイタリアやギリシャに広がっていきました。
7世紀に入るとイスラム教徒に支配されてしまい、ワイン造りが一切できなくなります。イスラエル固有の品種は引き抜かれてしまい、かなりの間途絶えてしまいました。
19世紀後半になり、ロスチャイルド家の手によってフランスより、近代ワインの醸造技術が輸入されます。その後、カリフォルニアやオーストラリアから、ぶどうの栽培や醸造技術が加わり、今の形に発展を遂げました。
気候は、暑い日が続く砂漠気候の印象が強いですが、それは南部の方で、北部は温暖な気候で、日本よりやや暑いくらいです。
日中と夜の寒暖差は激しく、土壌は排水性が良く、火山性であるためミネラルが多く、醸造用ぶどうの栽培に適している地域といえます。
イスラエルのワインは稀少?!日本であまり見かけない理由
イスラエルのワインは日本で中々見ません。大型店やスーパーに足を運んでも見つけるのは困難で、もし出会いがあれば幸運かも知れません。
理由としては、高品質なワインを造る技術があっても、小規模ワイナリーが多く、生産量は少ないようです。つまり、海外へ輸出される十分な量が確保されず、イスラエル国内で消費されてしまうのです。
しかし、一部のこだわりを持ったバイヤーが、直接ワイナリーを周り、信頼関係を築きながら、買いつけをおこなっており、日本でも少しずつ楽しめるようになってきています。
日本人は、一般的に外国人から評価が高い民族ではありますが、いきなりイスラエルのワイナリーに足を運んで信用されるわけではありません。
何度も足を運び、イスラエルワインの情報発信をして関係を紡いできたからこそ、日本でイスラエルワインが飲めるようになってきたのでしょう。
イスラエルワインの特徴と産地
イスラエルワイン造りのための品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シャルドネが多く、出来上がりの味もそれらの特徴がベースになります。
そこに産地の特色が追加されます。
イスラエルの中で有名なワインの産地は、北部のガリラヤ地域やゴラン高原、首都エルサレム近郊のジュデアン・ヒルズ、南部のネゲブ砂漠です。
ゴラン高原は、水はけに優れている火山灰が降り積もった土地で、ミネラル分もたっぷり。温暖な気候かつ、夏季には灌漑で水がしっかりと供給されます。
ここで造られたワインが、1900年代後半にコンクールではじめて金賞を受賞し、そこから、ワイン造りのブームが起きました。
ガリラヤ地域、ゴラン高原で造られるワインはイスラエルの中でも特に高品質です。
ジュデアン・ヒルズで造られるワインは、標高800メートルの山岳地帯、そして傾斜がきつい土地で、しっかりとした日光と水はけで上質なぶどうが栽培されます。そのため、複雑な味わいが楽しめるワインが特徴です。
ネゲブ砂漠は、一年間ほとんど雨が降らない土地です。灌漑により、水の供給は行われているため、品種改良の末、栽培も成功し始めています。
まだ、生産量は少なく、これからが楽しみな地域と言えます。雨が降らないため、ぶどうの糖度が上がりやすく、上手く活用したワイン造りが期待されます。
古代よりワイン造りが行われていたイスラエルは、途中で歴史が途絶え、ここ近年復活したと言えます。近代的な技術や研究により、高品質なワインができているのはとても魅力的なことです。
イスラエルワインのおすすめ銘柄
次に、イスラエルワインを楽しむためにおすすめの銘柄を紹介します。
・ヤルデン
イスラエルワインの中でもヤルデンシリーズは、種類も多く、イスラエル航空のファーストクラスでも愛飲されるグレードのワインもあります。産地はゴラン高原の畑を使うことが多く、高級なものはその中でも単一の畑にこだわったものです。
お手頃な値段のもので、2,000円弱。4,000円~5,000円のグレードや10,000万円のグレードを超えるワインもあります。
グレードの高いワインは、ぶどうの出来がいい年のみ造られるもので、お目にかかれたら、とても幸運ですね。
・モンテフィオーレ
モンテフィオーレは、イスラエルの中部、ジュデアン・ヒルズ産のぶどうを使った銘柄が多く、濃厚で重厚なボディかつエレガントな味わいが楽しめます。銘柄の種類はそれほど多いわけではなく、今後増えていくことを期待しています。
価格帯も、3,000円~5,000円程度なので、入手しやすい銘柄です。
・ペルター
アッパーガレリーやゴラン高原北部、ジュデアン・ヒルズやイスラエル南部の砂漠にぶどう畑があり、手摘みで収穫するなどこだわりを持つワイン。白ワインも赤ワインも作っており、5,000円弱~6,000円という金額で入手できます。
イスラエル現地では、ペルター銘柄は徐々に人気が出てきています。丁寧な仕事で造られているワインは、職人の魂が込められた作品です。
・フラム
フラムワイナリーが作り出す銘柄は、数々の賞に輝いています。最高のイスラエルワインを造ることをビジョンに掲げ、約半世紀以上にわたってワイン造りの歴史があり、イスラエルワインにおいても、先駆者的な立ち位置で、ワイン造りに励んでいます。
フラム銘柄は、5,000円~10,000万円程度で購入できるワインが多く、それぞれがしっかりと味が立っており、重厚な味わいです。
ワインメーカーの情熱がボトルの中に詰まっており、その味わいが存分に楽しめます。
イスラエル現地や、在日イスラエル人や大使館からも多くの支持を得ている銘柄です。
まとめ
イスラエルワインについて紹介しました。
イスラエルは、歴史も古く、紀元前2,000年頃にはワインの生産が盛んになっていたようです。しかし、イスラム教に支配された頃から、ワイン造りが禁止され、一時的に歴史が途絶えてしまいました。1990年後半から、イスラエルにてワイン造りを復活させようとロスチャイルド家が動き、数々の支援から今の形になりました。
イスラエルの気候は、寒暖の差が激しく、水はけが良い土壌、そしてミネラルたっぷりの火山灰が蓄積されているため、醸造用ぶどうが好む土地といえます。
さらには、イスラエルのワイナリーはとても勤勉で、良いものを作ろうと努力を重ねている気質が素晴らしくもあります。それが、評価されてか、国際的な賞を獲得する銘柄も増えてきており、少しずつ認知され続けているワインであるといえます。
国内で消費されてしまうことが多く、日本にはまだ数少ない本数しか並びません。それでも、買いつけを行っている方の努力で楽しめるのはとても素敵なこと。
イスラエルワインを見つけたら、まずは試しに1本楽しんでみてはいかがでしょうか。