実は重要な不動産の名義変更。事例から見る相続トラブルを回避する方法
- 2018/11/20
- 不動産

日常的によくあることではありませんが、実は非常に重要な手続きの一つである「不動産の名義変更」。
とはいえ、相続の様々な手続きの中でも不動産の名義変更は必要な書類が多く、手続きが複雑でついつい後回しにしがちです。
贈与を受けたにも関わらず、まだ親名義のままの不動産がある…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では事例から見る名義変更の重要性と手続きの方法について触れていきます。
そもそも不動産登記とは?
不動産登記とは「この土地は誰のもので、どのような状態なのか」ということを国に申請する手続きのことです。
法務局のHPによると、不動産登記の申請手続きには以下のようなものがあります。
また、それぞれのタイミングで行うことも決まっています。
- 不動産を購入したとき、譲り受けたとき
- 所有権の保存、移転の登記、抵当権の設定の登記
- 転勤で引っ越したときや結婚で姓を変えたとき
- 所有権の登記名義人の氏名・住所変更の登記
- 住宅ローン等を完済した
- 抵当権抹消の登記
- 不動産の所有者が亡くなった
- 相続の登記
- 建築物を取り壊した、建物を新築した
- 取り壊しもしくは建築の登記
- 所有権の保存の登記
今回はその中でも「名義変更」に触れていきたいと思います。
名義変更とは?
名義変更とは、対象不動産の不動産登記簿に書かれている所有者の名義を変更することを言います。
この土地や建物は誰の者かを証明するものになります。
名義変更をしなかった場合、
- 本人同士が譲渡を認めていても、名義が自分のものでなければ、権利が認められない場合がある。
- 所有者が寝たきりや認知症などで本人の意思が確認できない場合、売却や融資等ができない。
- 占有による時効成立が起こり得る。
などなど、デメリットだらけになります。
不動産の名義変更をするにはどんな書類が必要?
般的に名義変更を行う際には、以下の書類を取得、作成する必要があります。
ただ、そのときの状況(相続なのか、離婚なのか等)によって求められる書類も変わる場合があるので、参考程度にご覧ください。
- 戸籍謄本
- 住民票
- 印鑑証明書
- 登記済み権利証
- 固定資産税評価証明書
- 登記申請書
- 登記原因証明情報
- (専門家に依頼する場合)委任状
手続きは法務局で行います。
ヌケやモレがあると中々手続きが進みません。
そういうときは、弁護士や税理士など専門家の先生に相談しましょう。
実際にあった!名義変更のトラブル
売却できない
親の不動産を相続していたにも関わらず、名義変更を怠っていると、その土地の所有者は故人のままになります。もし売却しようとして、買い手が現れたとしても、あなたに売却の権利はありません。不動産の売却は所有者間の合意が必要だからです。
そのため、名義変更を行ったのちの売買手続きになります。
名義人変更の起源
こちらも相続の場合を見てみましょう。
法律上、いつまでにしなければならないという期限はありません。
よく間違ってしまう点として、放置しておけば相続放棄になると思っている方がいますが、実はこれば間違いです。
むしろ、相続人に相続されたとみられてしまうのです。
法律でも相続放棄の意思表示は3ヶ月以内と定められているため、このときに相続放棄を行わなければ相続したとみなされ、相続税が課税されます。
意図せず、税金を納付することとなり、手が付けられなくなる前に対応することが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産は「資産」という社会的にも大きな影響力を持ちます。
名義変更を単なる名前の書き換えと捉えるのではなく、権利の書き換えと捉え、しっかりと対応することで巻き込まれずに済む問題を回避することができます。
とはいえ、素人にはなかなか手が出せない問題でもあると思うので、不動産に詳しい専門家に質問するのがベストだと言えるでしょう。